週刊本吉研究室㉚『全ての人が楽しめる…』

こんにちは。

厳しい寒さが続いていますがいかがお過ごしですか?

体調に気を付けて、温かくして過ごされてくださいね。


今回は、私が少し前にミニチュア作品の展覧会でアルバイトをしていた時のエピソードについて書きます。

私は入り口でチケットのもぎりをしていました。すると、車椅子を利用されている方がいらっしゃって、「車椅子でも楽しめますか?」と尋ねられました。

私は即答することができませんでした。「車椅子を利用している方がミニチュア作品を楽しむことができるか」という視点で考えたことがなかったからです。車椅子に乗った状態で見るには、作品の位置は高いだろうなと考えながら、中に入り台の高さを確認しに行きました。90cmくらいの高さの台にほとんどのミニチュア作品はのっており、見やすい高さではないことを確信しました。お客様のところに戻り、台の高さを具体的に示し、見えるけれども見にくいことをお伝えすると、そのお客様は帰られました。

この出来事の後、皆が等しく楽しめるようにするにはどのように展示するのが一番いいのか考えていました。

大きな作品や少し距離があっても楽しめる作品であれば、展示する高さはそこまで意識しなくても多くの人が楽しめるかもしれません。

しかし、小さな作品やミニチュアのように近づいてみた方が面白い作品の時には、展示する高さなどを考えることが必要であると感じました。今回のミニチュア展では、90cmくらいの高さの台に作品をのせて展示していたため、小さなお子様が楽しむことができるよう、踏み台が準備されていましたが、車いすなどを利用されているお客様の立場で考えると、近づくのを妨げられるものであったと思います。

少し台の高さを低くすると、大人は見るときにはかがむことが必要になり、かがむことが難しい方の立場の方は近づくことができず残念な気持ちになるかもしれません。

沢山考えてみましたが、来場される全ての人が等しく楽しめる展示の方法は考えつきませんでした。自分が展示する側になったときには、たくさん考えたうえで、ベストな展示の方法ができるようにしたいと感じました。また、美術館や博物館に行ったときに、展示物と展示方法について考え、皆が楽しめるように工夫していることはないかを探して、参考になる部分はないか考えたいなと思いました。

感想のようなブログを最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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