週刊本吉研究室㊲【今年も良かった】取り組んでみて良かったこと5選【2022年度ふりかえり】

2022年度が終わろうとしています。2022年度も新型コロナウイルスの影響を受けた1年でしたが、その中でも自分の仕事や生活を良くするために色々と試行錯誤してみました。

今回は、その中でも好感触だった取り組みについて振り返っていきたいと思います。


①【授業編】授業の進め方について受講者と話し合いながら進めること

 2022年度は対面での授業とオンラインでの授業が混在する状況で、その判断は私たちに委ねられていました。

 私としましては「せっかくオンラインでの教材を作ったし、授業スキルも身に付いたし、オンラインの授業が合っているという学生さんもいるのだから、対面授業だけにはしづらい」という思いがありました。

 そこで実施したのが反転×ハイフレックス型の授業です。授業は概ね以下のような流れで構成していました。

 (1)コロナ禍で作成したオンデマンドの講義動画を事前学習として視聴

 (2)Googleフォームを使って小レポート(感想・質問・議論したいこと)を提出

 (3)私(教員)が小レポートをチェックしてフィードバック準備

 (4)授業当日は小レポートへのフィードバックとディスカッション

 さて、ここで受講者と話し合ったことは、次の2点でした。

(1)ディスカッションの時間は全員が教室に来るべきか?

(2)教室での参加とオンライン参加を選択できる場合に、成績評価は公平であるか?

 「ディスカッションの時間は全員が教室に来るべき?」

この話題については、「それぞれが自分に合った手段を選択していい」ということになりました。各々が自分に最も適した手段を選択しているのだから「どちらを選択しているからズルい」といった思いは持たないということを確認しました。

 「教室での参加とオンライン参加は公平に成績評価ができるの?」

 こちらについては、学生さんの側から投げかけてくれました。自分たちが授業を作っているという自覚がある、大変うれしい投げかけでした。この問いについては、時間をかけてディスカッションをしました。

 ・成績評価の仕方は先生が決めたらいいのでは?

 ・参加の仕方は自分で選んだのだから、そこで生じる不利は受け容れるべきでは?

 ・教室にいてもチャットの方が発言しやすいから、教室にいながらオンラインで発言したい。

 ・オンライン参加の人も、チャットではなく顔を出して発言すれば教室参加と同じでは?

当初は、授業づくりに自分たちが影響できると思っていない学生さんの方が多く、戸惑っている様子もありましたが、嬉しいことに様々な意見が出始めました。

教えられたことを身に付けるというところから、どのように学ぶのかということについても考えるきっかけと捉えてもらえました。

以降、その都度「なぜ?」の部分を丁寧に説明するようにしたので、簡潔なコミュニケーションで微調整ができたり、諸々の仕組みについても理由があることを察してもらえるようになったと感じています。

反転×ハイフレックス型の授業は、大半の受講者が学習習慣や時間・生活の管理ができていることが重要だと感じます。そういう意味では、反転×ハイフレックス型の授業がきちんと成立した受講者の皆さんに感謝しています。

私にとっても学びの多い授業になりました。


②【研究活動編】主体的な取り組みを尊重すること

 研究室では「自分の人生をより良くしていくために、自分で選択してここで学んでいるのだから、自分の学びは自分でマネジメントする」という前提を共有することを心掛けました。

 自分の人生経験が基礎にあったり、時間をかけて情報収集をしたりして立てた問いは、強い思い入れがあるはずです。自分自身が興味を持っていたり、誰のためになるのかが明確である研究活動は、その推進力が内発的で、小さな失敗から学びつつ良い方向へ向かいます。

 2022年度の卒業論文は「誰のため」「何のため」が明確で、とても力強い取り組みでした。

 「自分が関わった人のためになる、自分が成長するための機会なのだから、精一杯やろう」

 そういう思いが見える取り組みでした。

 このマインド面を共有できたことがとても嬉しかったと感じています。


③【研究活動編】大きな方向性を確認すること

 主体的な取り組みを尊重することを先に述べましたが、方向性を確認することも重要です。一人で作業を進めていると、思いがけない方向に思考・判断しようとしたり、思いがけない情報に影響されたりすることがあります。

 その結果、どっちに進んでいいかがわからずに停滞する、停滞している自分が嫌になる、時間が経過すると相談に行きづらくなる、といった悪循環にはまってしまうことがあります。

 こういう時にちょうどいい言葉が「大きな方向性を確認しましょう」でした。

 自分たちはどこに向かってこの論文を作成しているのか、自分たちが持っている情報にどのような価値を感じているのか、どうやったらその情報を誤解なく伝えられるか…。

大きな視点を持つことで推進力が回復したように思います。

 1on1を通して、大きな方向性の確認から、直ちに取り組むべき具体的なことに落とし込んでいくプロセスももちろんありますが、まずは沼から抜け出すことが重要でした。

足跡を振り返って「何か踏んでなかったかな?」と自分で点検することも大事です。しかし、とてもエネルギーを消耗します。そのことについては丁寧に見て、伝えてくれる他者に依頼するというのがちょうど良かったように思います。


④【生活改善編】指標を決めてセルフモニタリングすること

 これは3年生対象の授業の一環でもあるのですが、自分自身が感じている学習上または生活上の困難を踏まえ、自分自身の学習・生活を改善するための活動を計画・実施し、習慣作りを目指すものです。自分自身の取り組みの状況についてグループで話し合う時間をとり、気持ちの分かち合いや励まし合いも行います。

 2022年度は、私自身は仕事の時間、睡眠時間、気分状態(5段階)を記録し、その関連を自覚しながら心身の健康改善を図ることにしていました。

 しかし、結果的に仕事時間の記録は私にとって好影響にはなりませんでした。

 計画段階では、仕事時間の管理が効果的であるという仮説を立てたのですが、私には合っていなかったことになります。

一方で、会話を楽しむ時間を持つことができれば気分状態が改善することが確認できました。この気づきから、改めて、会話の時間を大切にするようになりました。この会話は雑談に限らず、研究のこと、学修のこと、生活改善(健康、人間関係、家計など)のことを含みます。どちらかと言うと、研究や学修、生活改善など前向きな話の方が多かったように思います。

人と会話をする時間をとるために一人でできることは集中してやること、人と会話する環境を整えること、会話の内容に留意すること、諸々を丁寧に手掛けることが自分の心身の健康につながることが分かりました。自分のことを考えて関わってくださる人を大事にすることが自分を大事にすることに直結するという気づきでした。

指標を決めてモニタリングをすることは、意識して生活することにつながりました。方針転換などは柔軟にできることを前提にしつつ、まずはやってみることが大切だと思います。

もう一つ、大事だと思ったことは、同じ悩みや目標を持つ仲間と共感し合ったり、励まし合ったり、情報交換したりしながら取り組めるようにすることでした。

そういう気づきをいただいたように思います。これは人生を豊かにすることにつながる気づきでした。


⑤【仕事・学習編】自分が集中できる時間帯・環境を踏まえてタスク管理をすること

 私が仕事に集中するために必要なことは以下の通りだと気づきました。

(1)静かな環境耳栓とイヤーマフをする
(2)物が少ない環境作業環境から物を減らす
(3)スマホが視野内にないスマホは引き出しへ
(4)スマホから通知が来ない大事な人からの連絡以外の通知は消す
(5)電話がならない図書館などへ行く
(6)視野内で人がウロウロしないディスプレイの向きを工夫
(7)時計がないパソコンの時計すら非表示にする
(8)期限が迫っているタスクがない後回しにしない、とりあえず着手
(9)しっかりと休息がとれている睡眠大事
(10)不安がない懸念や心配が生じないように、自分のコントロール範囲のことはやっておく
(11)トリプルディスプレイウィンドウを切り替える手数を減らす
(12)スケジュール、To doリストの活用記憶する、思い出す負荷を減らす 見直すことで達成感を得る

私の場合、基本的に午前中の方がエネルギーがあるので仕事に集中することができます。

論文の執筆や授業資料の準備、研究の構想、分析作業など創造的な仕事は午前中、判断が難しいことの意思決定も午前中にやります。その方が感情的に前向きに選択・決定できる感じがするからです。私が不安そうに決めたり話したりすると、多くの人に影響します。そのことを考慮して、時間と環境と作業内容は決めた方が良いということが分かりました。※もちろん、気分だけで判断しているわけではありません。

 午後は、思考力や判断力が低下してくるので、その状態でも進められることを可能な限り進めます。そうすると翌日の午前中が充実させられることが分かりました。

 このように、時間の使い方や環境づくり、仕組みづくりをすることで仕事に集中しやすくなっていっているように思います。こうして作りだした時間の中で、研究や学修、生活改善に関する前向きな話ができたら、一日の充実度が高められることが分かりました。

 これからも小さな工夫を積み重ねながら、改善を繰り返していけたらと思いました。


最後に

2022年度は17名(院生1名、4年生5名、3年生8名、専攻科3名)でした。このうち、8名が卒業・修了されます。卒業・修了おめでとうございます!

2023年度はどういうメンバーで、どのような雰囲気で進んでいくのかとても楽しみです。

色々な人から刺激を受けて、自分も良くなっていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました😊

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