知的障害「食事の流れと正しい食器の配置の指導」

①対象児童の実態イメージ
・知的障害2年生を想定
・特別支援学級に在籍
・一人で食事を摂ることはできる
・何を食べているのかを理解できる
・一人で食事前の手洗いや配膳、食後の片付けができない
・給食の時間の流れを把握できない

②学習指導要領による位置付け
【各教科等を合わせた指導の特徴と留意点】
ア日常生活の指導日常生活の指導は、児童生徒の日常生活が充実し、高まるように日常生活の諸活動について、知的障害の状態、生活年齢、学習状況や経験等を踏まえながら計画的に指導するものである。日常生活の指導は、生活科を中心として、特別活動の〔学級活動〕など広範囲に、各教科等の内容が扱われる。それらは、例えば、衣服の着脱、洗面、手洗い、排泄、食事、清潔など基本的生活習慣の内容や、あいさつ、言葉遣い、礼儀作法、時間を守ること、決まりを守ることなどの日常生活や社会生活において、習慣的に繰り返される、必要で基本的な内容である。

生活科3各段階の目標及び内容
(1)1段階の目標と内容
イ内容
ア基本的生活習慣食事や用便等の生活習慣に関わる初歩的な学習活動を通して、次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(ア)簡単な身辺処理に気付き、教師と一緒に行おうとすること。
(イ)簡単な身辺処理に関する初歩的な知識や技能を身に付けること。
【食事】食事前の手洗いや配膳、食後の片付けをすることなどの指導内容がある。食事の流れや基本的な行動の方法に気付くことが大切である。

④指導目標
・食事前の手洗いを忘れずできる
・食器を正しい位置に配置できる
・食後の片付けが一人でできる
・食事の流れを把握し、流れに沿って行動することができる

⑤評価基準(評価方法)
実際の給食の時間において以下の項目を評価する
◎食事前の手洗いを忘れずできた
○食事前の手洗いを周りの児童の行動を見て手洗いができた
◎食器を正しい位置に配置できた
○教師からの助言で食器を正しい位置に配置できた
◎食後の片付けが一人でできた
○周りの児童に倣って食事の片付けができた
◎食事の流れを把握し、流れに沿って行動することができた
○教師の支援や周りの児童の行動を見て、流れに沿って行動することができた

⑥教材
I. 食事の流れの把握          II. 食器の配置指導

⑥教材(作り方)
材料
・ホワイトボード(I)(II)・画用紙・マグネット・マジック・ラミネート・食器やおかずのイラスト(いらすとや)

(1)ホワイトボード(I)を6分割する
(2)食事前の流れの行動をプリンターで印刷し、ラミネートする
(3)プリントした紙の裏にマグネットを貼り、イラストに示されている行動の名称を書く

(1)ホワイトボード(II)に仕切りを作る
(2)お皿とおかずが描かれたイラストを印刷し、ラミネートする
(3)画用紙をカゴ型に折り、正面に入れる食器と同じ食器のイラストを貼り付ける
6分割されたホワイトボード(I)の部分に食事の流れを順番通りに並べさせる。また、今の何をしているのか裏に書いてある名称を見て結び付けさせる。

(1)ホワイトボード(II)の食器の配置別に分かれた部分に食器を正しい位置に置かせる
(2)おかずがプリントされた紙を食器の紙に正しく置かせる
(3)カゴ型に、それぞれの食器を正しく入れる

⑦教材の工夫点
(1)経費を抑えた
(2)数種類のおかずを準備した
(3)2つのホワイトボードを使って、一連の流れを把握しながらできるようにした(4)何度も利用できるようにラミネートした

⑧教材の改善点
(1)立体的に作る
(2)給食がパンの場合や、家での食事の場合でも利用できるように配置を変えられるようにする
(3)食材の量や個数も分けられるようにする→次の段階で、お皿に正しい個数や量を配膳することができる

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