知的障害児「コミュニケーションの指導・支援」「友達に自己紹介をしよう」

①対象生徒の実態イメージ
・特別支援学校中学部に在籍する、第1段階の生徒を想定。
・軽度、もしくは中度の知的障害のある生徒を対象。
・文字を読むことができ、見たものと文字や言葉が一致する。
・書くこと(文の構成や語句の使い方、文字のバランスや大きさ等)に困難を抱えている生徒。

②学習指導要領における位置づけ
第4章第5節「国語科」
3各段階の目標及び内容 (3)1段階の目標と内容
ア 目標〈1段階の児童の姿〉
1段階の生徒は,(中略)生活を通して様々な言葉に触れることで,言葉には,事物の内容を表す働きや,経験したことを伝える働きがあることに気付いたり,知っている言葉や新たに獲得した言葉の使い方に気を付けることで、様々な事象や気持ちに関して多くの相手と伝え合うことができるようになることに気付いたりする段階である。このため,国語科の指導においては,生徒の生活の広がりに伴う事物や人との関わりの中で,言葉で様々な情報を得たり人の思いや考えに触れたりする経験や,自分の思いや考えをまとめたり相手に分かりやすく伝えたりする経験を積み重ねることを通して日常生活や社会生活に必要な国語を身に付けることが大切である。

第4章第4節「国語科」
3各段階の目標及び内容(3)3段階の目標と内容
イ 内容【知識及び技能】
(ア)身近な大人や友達とのやり取りを通して,言葉には,事物の内容を表す働きや,経験したことを伝える働きがあることに気付くこと。
【思考力・判断力・表現力】 B書くこと
ア 見聞きしたことや経験したことの中から,伝えたい事柄を選び,書く内容を大まかにまとめること。
イ 相手に伝わるように事柄の順序に沿って簡単な構成を考えること。
ウ 文の構成,語句の使い方に気を付けて書くこと。
エ 自分が書いたものを読み返し,間違いを正すこと。
オ 文章に対する感想をもち,伝え合うこと
文部科学省特別支援学校学習指導要領解説各教科等編(小学部・中学部)

③指導目標
伝えたい事柄(好きなものや得意なこと等)を選んで、書く内容を決めることができる。
文の構成に気を付けて書くことができる。
【□は(が)□の正しい文型で、つながりのある文を書くことができる】
助詞などの語句の使い方に気を付けて文章を作ることができる。

④評価基準
伝えたい事柄(好きなものや得意なこと等)を選んで、書く内容を決めることができる。
◎伝えたい事柄(好きなものや得意なこと等)を選んで、書く内容を決めることができた。
〇ヒントカード(教材1)を見て、伝えたい事柄を選んで、書く内容を決めることができた。

文の構成に気を付けて書くことができる。
【□は(が)□の正しい文型で、つながりのある文を書くことができる】
助詞などの語句の使い方に気を付けて文章を作ることができる。
◎□は(が)□の正しい文型で、つながりのある文を書くことができた。
(主語と述語の組み合わせを理解して文章に表すことができた。)
〇単語と助詞のカード(教材2)を使って、正しい文型でつながりのある文を作ることができた。

⑤教材

教材1
教材2
教材3

⑥教材の工夫点
・ヒントカードや単語・助詞カードなど、視覚的アプローチをかけることができた。
・教材にかかる経費を抑えられた。
・単語・助詞カードは正しい文型を作る練習のために、何度も利用できる。
(言葉を増やせば、レパートリーは無限に増やすことができる。)
・生徒同士の相互評価を行う中で、お互いの良かったところを見つけあうことができる。

⑦教材の改善点
・附属特別支援学校中学部のクラスでも行っていた、「他己紹介」のように教材を発展させても面白いと思った。
・今回の指導目標・評価基準では、【知識及び技能】【思考力・判断力・表現力】に関しては組み込むことができたが、【学びに向かう力、人間性等】に関しては考慮できていなかった。(改めて【学びに向かう力、人間性等】を組み込む難しさを感じた。)
・生徒の実態によって、進度に差が出すぎてしまうのではないか。

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